【印象派の風景画】 アルフレッド・シスレー 《舟遊び》(1877年、島根県立美術館)の空間と「静」と「動」の表現



【作品解説】

アルフレッド・シスレー《舟遊び》の

空間と静動の表現



アルフレッド・シスレー《舟遊び》1877年、
キャンヴァスに油彩、45.6×56.0cm、島根県立美術館

色彩による空間の遠近の表現

  • 印象派の画家アルフレッド・シスレーが描いた風景画です。
  • 前景に立つ木の枝葉の向こうには、白い雲が浮かぶ青空が透けています。
  • そしてその下には建物が見え、その傍らに緑の木々が空に向かって立ち、その空が青い水面に映っています。
  • また最前景、手前の木の根元には再び緑が広がっています。

  • すなわちこの画面では、奥から手前へと進むにつれて、色彩が青→緑→青→緑と反復されています。

  • このように異なる色彩のプランを後景から前景へと順に配置することで、モチーフの前後関係が明確になり、整理された静かな画面が構成されています。

静かな水面のボートの動勢

  • 水上ではさらに、3人乗りの細長い舟だけが川面を進んでいます。

  • この水の上では巧みに保たれた静と動の均衡が印象的です。

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