【ロンドン・ナショナル・ギャラリー展 出品作品】
レガッタの日の風景
18世紀ヴェネツィアの画家アントニオ・カナル、
通称カナレットが1735年頃に油彩で描いた
都市風景画《ヴェネツィア:大運河のレガッタ》。
カーニヴァルの時期に大運河で開催される漕艇競技 レガッタと見物人たちの様子。 運河上の左右には建物が立ち並び、 水面には船が行き交う。 |
遠近法の使用と構図
画中では線遠近法が強調され、奥へと長く続く運河の距離が印象的。
また画面手前では運河が画面の右端から左端まで広がっており、
幅の長さもわかりやすく示されている。
そして広い空と低い地平線が、
海洋国家ヴェネツィアの海抜の低さ物語る。
ゴンドラの装飾
岸上・水上を問わず細部描写は緻密。
画面右下部分では、手前のゴンドラの舳先には櫛の形のパーツ「フェッロ」を付け、
奥の舟の先には緩やかにカーブする羽飾り状装飾が並び、
船端には曲線を描く黄金の植物モチーフを配す。
装飾の豊かさが当時の祭日の楽しげな雰囲気を伝える。
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