【作品解説】 ロイスダール 《城の廃墟と教会のある風景》― 低海抜地のモニュメンタルな風景表現


 ヤーコブ・ファン・ロイスダール 

《城の廃墟と教会のある風景》

低海抜地のモニュメンタルな風景表現


ヤーコブ・ファン・ロイスダール
《城の廃墟と教会のある風景》1665-70年頃、
キャンヴァスに油彩、109×146 cm、
ロンドン・ナショナル・ギャラリー


《城の廃墟と教会のある風景》は
17世紀オランダの画家ヤーコブ・ファン・ロイスダールが
1665-70年頃にキャンヴァスに油彩で描いた風景画。


ロイスダールが描いたこの風景画では、
構図内中程で水平に伸びる線により画面は二分。
上には明るい空、下には暗い地面が表現されている。
そして地平線の上に、空を背景に教会の塔が突き抜け存在感を示す。


前景の人や動物のような生物モチーフは小さなサイズで描かれる。
この小型の描画対象との比較により、よりサイズの大きな建築物や、
広い空と平野のような風景モチーフの巨大さが強調されるように表現。


低地地帯のオランダは起伏と変化に欠けるが
その土地をモニュメンタルにみせる、
ロイスダールの構図の技術を確認することができる作品。


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