「1890年」という
「恵まれた時代」
【資料】ヴォラール『画商の思い出』と「1890年」
「1890年!コレクターたちにとり、なんという恵まれた時代だったことか。そこいら中に傑作が転がり、それもタダみたいな値段で売られていた。[エドゥアール・]マネについては、かの並ぶもの無き《ザカリー・アストリュクの肖像》は1000フランでもとめられたが、それは途方もない値段に思えた。私が思い出すのは、その僅か2、3年後には、オテル・ドゥルオーの競売で、ボードレールの許にあった《ソファの女》にやっとのことで1500フランの値がついたことである。私はアペナン街の6階にルノワールの重要な《裸体像》の絵を所有していて250フランの値を付けていたが、一顧だにされなかった。」
« 1890! Quelle époque bénie pour les collectionneurs ! Partout des chefs-œuvre et autant dire pour rien. De Manet, l’extraordinaire Portrait de Zacharie Astruc dont on demandait mile francs, ce qui semblait exorbitant. Je me souveins qu'à peine deux ou trois ans plus tard la Femme sur un canapé, qui avait appartenu à Baudelaire, fut péniblement poussée à l'Hôtel Drouot à quinze cents francs. J’avais, dans mon sixième de la rue des Apennins, un important Nu de Renoir dont je demandais deux cent cinquante francs sans qu’on daignât seulement le regarder. »
【比べてみる】20世紀初頭・シスレー作品の価格
アルフレッド・シスレー 《ポール・マルリーの洪水》 1876年、オルセー美術館 |
シスレー 《ポール・マルリーの洪水》は、画家の生きている間には180フランで売れました。しかし同じ作品が、シスレー逝去の翌年の1900年にモネ が開催した競売では、43000フランの高値で落札されました。これは画家生前の同作品売却価格の230倍以上にあたります。19世紀末 印象派 作品の評価額は既に異常な高まりを見せていました。
ザカリー・アストリュク(1833-1907)
【印象派の肖像画】伝統のテーマと最新の表現技法の邂逅:ルノワール《シスレー 夫妻》1868年
ぼんやりとした森の木々の前に立つ、印象派の風景画家アルフレッド・シスレーと、夫に寄り添うの妻の肖像です。寄り添う夫妻の肖像という伝統的なテーマを扱う画面内では、マネを参考に用いた最新の表現が一層際立ちます。
作品解説動画🎦「メトロポリタン美術館」展🎨印象主義―シスレー、モネ、ルノワール、ドガ
この投稿では、国立新美術館で開催の「メトロポリタン美術館」展の出品作のうち、印象主義の画家たちが19-20世紀に描いた作品の作品解説動画🎦を、制作年代の順にご紹介します。
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