【中世のジュエリー】《リング・ブローチ》イギリス或いはフランス、 13世紀第4四半世紀、銀、ガラス製模造宝石、 径:2.5 cm、メトロポリタン美術館

《リング・ブローチ》イギリス或いはフランス、
13世紀第4四半世紀、銀、ガラス製模造宝石、
径:2.5 cm、メトロポリタン美術館

この投稿ではメトロポリタン美術館が所蔵する《リング・ブローチ》についてご紹介します。

リング型のベース

● 銀製の輪とピン
  • フランスあるいはイギリスで作られた金属とガラスでできたブローチです。
  • ベースは丸い輪の形に作られています。素材は銀となっています。
  • 衣装に本作を留めるための太いピンが付属し、輪の中を横切っています。

模造宝石の積極利用

 着色透明素材の正体
  • 銀のリング・ベースの上には、透き通った赤、青、緑の球形素材がセットされています。
  • ただし、これらの球状パーツはルビー、サファイア、エメラルドといった宝石、ではありません。
  • ガラスを着色・成形加工して作ったペースト、つまりガラス製模造宝石です。

廉価品ゆえの希少性

 安物ゆえの扱い
  • ペーストのように経済的価値の低い素材を用いて作られた本作は、値段もお手頃で、お求め安かったことでしょう。
  • しかし経済的価値の低さゆえに、重要性を認められなかったようです。結果、大量に生産されたと思われますが、現存例はそれほど多くありません。
  • 本作はそんな大量生産☞大量廃棄の歴史を乗り越えて残った、重要な作例となっています。

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