【印象派の風景画】陽気な洪水の絵と印象派の人気:シスレー《ポール・マルリーの洪水》1876年、オルセー美術館

シスレー《ポール・マルリーの洪水》1876年、オルセー美術館

描かれた情景

  • 19世紀フランスの印象派の画家アルフレッド・シスレーが1876年に描いた、パリの西に位置するポール・マルリーの情景です。
  • 前景に描かれているのは、セーヌ川の氾濫で水浸しになった辺り一面の様子です。

非「悲劇的」洪水風景

  • 洪水に関係する絵でありながら、画中で強調されるのは、災害の悲惨さよりも、状況適応力の高い人々が、船で店まで乗り付ける様子です。

シスレーの水を描くタッチ


  • 静かな水面の穏やかに立つ波は、茶~灰色の小型のタッチを並べ筆触分割で表現しています。

売却価格の問題

  • シスレーの生前に《ポール・マルリーの洪水》は180フランで売れました。
  • しかし同じ作品が、シスレー逝去の翌年の1900年にモネが開催した競売では、43000フランの高値で落札されました。これは画家生前の同作品売却価格の230倍以上にあたります。
  • この絵が高額で売却されたという事実は、19世紀末印象派作品の評価額は既に異常な高まりを見せていたことを物語っています。

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