【印象派の肖像画】人物と風景を描く多様なタッチ:ルノワール《じょうろを持つ少女》 1868年

ルノワール《じょうろを持つ少女》
1868年、キャンヴァスに油彩、100 x 73 cm
ワシントン、ナショナル・ギャラリー

この投稿では、19世紀フランスで活躍した印象派の画家、オーギュスト・ルノワールが1868年に制作した、《じょうろを持つ少女》についてご紹介します。

庭にひとり佇(たたず)む少女

主人公の女の子
  • 植物が生い茂る背景の前、庭に作った白く明るい道の上が舞台です。
  • その道の上にまっすぐに立つ少女がこの絵の主人公です。
  • この女の子は画面の中央に足を揃えて立ち、大きく描かれています。
  • おなかの前の辺りには、じょうろを右手に、摘んだ花を左手に携えています。

主人公の女の子
  • 少女は白いレースがついた濃い青色のワンピースの上着を身に着けています。
  • 足の先にはワンピースとおそろいのデザインの、くるぶしの上まで届く高さの靴をはいています。
  • 肩まで伸びる金髪には、大きく上方向へと伸びる赤いリボンを結んでいます。

多様な絵筆のタッチ

ぼんやりした輪郭
  • 点や線のかたち、あるいは不定形と、多様な筆触がモチーフを描いています。
  • しかし花・葉・草の植物モチーフに加え、少女の手・服の上の白いレース飾り・金髪に赤いリボンまで、多くのモチーフでは輪郭と細部が曖昧です。

丸く大きな目

はっきりした形態
  • これに対し少女の青い瞳は円形を保っています。
  • はっきり描かれたこの部分は曖昧に描かれたほかの部分とコントラストをなし、絵を見る人間の視線を女の子の顔に導く役割を果たしています。

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