【古代ジュエリー】ローマ帝国の金の三日月形イアリング(2-3世紀、金、ガラス、ブルックリン美術館)

《金のイアリング・ペンダント》
ローマ帝国、2-3世紀、金、ガラス、
ブルックリン美術館

「三日月形」の本体部分

CCC-BY (Photo: Brooklyn Museum, CUR.05.421_overall.jpg
トリミング加工を実施。以下掲載の部分図も同様。

  • 本体部分は、大きく上方向に向け湾曲しています。
  • 太い「三日月」(crescent)の形をした平らなパーツとなっています。
  • 高さが2.4cm、幅が4.4 cmと小型で、ペンダントとして用いました。

フレームの綱状装飾


  • 三日月の形をした本体の周囲を、太索(ふとづな)状のフレームが囲んでいます。
  • 比較的幅の広い縁の部分には、斜めに走る縄目の連続文様が刻まれています。

中央の赤い石


  • ジュエリーの本体部分中央には、雫のかたちをした赤い石がセットされています。
  • 金の薄い板が、石の周縁部を抑えて固定しています。
  • 本体部分では金色の地にこの赤い石だけが別の色彩を示し、カラーリングのアクセントとなっています。

円盤と細線金細工



  • 本体部分中央の赤い石の左右、両横隣には、円盤が突出しています。
  • この円盤は線条金細工により左では完全に、右では部分的に囲まれ、強調されています。

垂れ下がった金鎖


  • 本体部分からはチェーンが、4本連なって下がっています。
  • チェーンは「8の字」型に加工された金の鎖の輪が連なって作られています。

鎖の先の球状部分

  • 比較的短い金の鎖の先には、虹色に輝く球のかたちをしたガラスのビーズがぶら下がっています。

身に着けたのは…?

ルーヴル美術館所蔵の古代エジプトの壁画より
三日月形の耳飾りを付けた女性の部分。

  • このジュエリーは、地中海地域東部で制作されたとされています。
  • この三日月形の耳飾り、誰が使っていたのでしょう。制作地である地中海の海辺の東側のどこかで、ご婦人に身に着けられたものでしょうか。
  • あるいはエキゾチックな造形を愛した、イタリアなど制作地を離れたところに位置した都市で、ローマ市民の女性の耳をかざることもあったのでしょうか。

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