プロローグ
エディンバラの城と美術館のある風景
ジョゼフ・ファリントン
《グラスマーケットから見たエディンバラ城》
- 英国の風景画家ジョゼフ・ファリントンが、1788年に、紙にペンと淡彩で描いた《グラスマーケットから見たエディンバラ城》。
- 城下の市場から、はるか向こう、画面の奥へと望む、遠方の山城。
- これに対して、画面の手前には、逆光に暗く沈む前景の建築の壁が見えます。
- 暗い前景の建築モチーフと、明るく遠くに霞む、後景の城の対比的表現が注目ポイント。
- 右側の背の高い建築の前には、大きな石に座る男と、家から上半身を現す男。
- この二人の人物が眺める先には、籠を背負った二人の女性。
- さらにその奥の道の上には、三人の立ち話する男性。
- 淡彩で薄くではありながらも三原色の赤・青・黄に衣装を彩られた添景人物たち。
- これらの人物は、小さく描かれることで建築物や城の聳える山のような自然の巨大さを強調しています。
- その一方で、描写された風景に動きの要素をもたらし、建物や自然が大部分を占める静かな画面に、部分的に活気を与えるアクセント的モチーフとして機能しています。
フランシス・タウン
《エディンバラ城とカールトン・ヒル》
- 水彩画家フランシス・タウンの《エディンバラ城とカールトン・ヒル》(1811年)。
- 画面の右には、巨岩の上に建つエディンバラ 城。
- 散策する人の見える緑の草地は湖の跡地。
- 画面の左奥に見えるのは、家並みと緑の丘。
- 沢山の見所を収めた、横長ワイド画面のパノラマ風景となっています。
アーサー・エルウェル・モファット
《スコットランド国立美術館 の内部》
- アーサー・エルウェル・モファットが 1885年に、紙に水彩で描いた《スコットランド国立美術館 の内部》。
- 現代のすっきりした作品展示方法とは異なり、壁一面に、作品と作品の間に隙間を設けず絵を掛けていますが、これは、当時の展示スタイル。
- 壁を彩る深紅色も、その上に掛けた絵の額縁の金色を、目にもさやかに映えさせています。
ジェームズ・バレル・スミス
《エディンバラ プリンシズ・ストリート・ガーデンズと
スコットランド国立美術館の眺め》
- 奥の岩山の上に建つエディンバラ 城。
- 手前には、緑色の芝地が見える庭園。
- 両者の間の、中景に見える古典主義建築が、スコットランド国立美術館。
- 画面右端の背が高い木は、縦長の画面フォーマットを印象付けます。
- そして、庭を散歩する小さく表された人物が美術館の建物の大きさを強調しています
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