【作品解説】《青磁鳳凰耳瓶》龍泉窯、南宋-元・13世紀、東京国立博物館

《青磁鳳凰耳瓶》龍泉窯、南宋-元・13世紀、東京国立博物館(肩-首上部分)
「ColBase」収録 (https://jpsearch.go.jp/item/cobas-147970) 写真をトリミング加工

 《青磁鳳凰耳瓶》
龍泉窯
南宋-元・13世紀
青磁
高さ:31.5 cm、口径:11.7 cm、
底径:10.7 cm、重さ:1692 cm
松永安左エ門氏寄贈
東京国立博物館
「ColBase」収録
(https://jpsearch.go.jp/item/cobas-147970)

不透明な淡い青色=粉青色の青磁の花生け。
細い首から広がる口は円形を描く。

首の左右に鳳凰形耳が付属。
型抜きによる大小の穴が開くパーツを張付け。

首から下方向にだらかな斜面が続き
肩は鈍角にカド張り胴上下部分の境界円周を形成。
胴体部分はわずかに丸みを帯び、下方に向けすぼまる。
胴と底面の境で無釉部分が褐色を呈す。


中国の南宋時代から元時代の作。
製作地は現在の浙江省南西部・龍泉窯。
格の高い茶席で使われたか。


日本では龍泉窯青磁の優品を「砧青磁」と呼び古くから愛好。
同形の青磁が日本に複数伝来。
例)徳川3代将軍家光が所持していた


砧青磁
南宋・浙江地方で盛んに焼かれた高品質青磁の日本特有の名称。
名称の起源は千利休所持の青磁花入「砧」が著名であったため、
また毘沙門堂旧蔵『鳳凰耳砧青磁花生』と同類のものを総称したためとも。
龍泉窯製多く、南宋官窯製も含むとも。
無文多く、双魚・牡丹唐草文などを型抜きで張付けたものも。
日本・東南アジア・ヨーロッパに輸出し遺品多数伝存。

関連作品

明代の龍泉窯で作られた青磁作品。
明代前期の濃青緑色の青磁は
日本で「天龍寺青磁」と称した。
《青磁刻花牡丹唐草文酒会壺》
明前期(15世紀)

高さ:33.0cm、口径:24cm
胴径:31.2cm、底径:19.3cm
東京富士美術館
「東京富士美術館収蔵品データベース」収録
(https://jpsearch.go.jp/item/tfam_art_db-1531)
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