【作品解説動画・重要文化財】《青磁輪花鉢》中国・南宋、12-13世紀、東京国立博物館


作品解説動画:重要文化財《青磁輪花鉢》

重要文化財《青磁輪花鉢》は、中国の南宋時代、12-13世紀に官窯で制作された磁器の器です。現在は東京国立博物館に所蔵されています。

造形的な特徴

器の高さは9.1cm、口の直径は26.1cm、底の径は7.1cmとそこまで大きな器ではありません。しかしこの鉢は、雨上がりの青空にもたとえられる澄んだ青を呈する釉薬の発色と、僅かに縁をへこませて作る六枚の花弁を持った花の形をかたどる口縁、器の表面全体に入る大小のひび割れの装飾性が見どころです。中国の青磁はお茶の席では煎茶を召し上がる際に用いました。唐物の磁器でいただくお茶は格別だったと推察されます。近世以前、青磁の茶器はたいそう人気があり、室町中期の茶人・村田珠光や安土桃山器の天下人・織田信長も、青磁の茶器を持っていたことが記録に残っています。


動画の内容

東京国立博物館所蔵の中国磁器を代表するこの器について、「美術史チャンネル」制作の本動画では、以上のような特徴的な造形に注目しながら、東京国立博物館の東洋館でしばしば見かけるこの器について、詳しい解説を加えます。


作品情報

《青磁輪花鉢》 制作年代:南宋・12-13世紀 制作場所:南宋官窯 サイズ: 高さ:9.1cm、口径:26.1cm、底径:7.1cm  重さ:720g 収蔵場所:東京国立博物館 画像出典:国立文化財機構所蔵品統合検索システム(https://colbase.nich.go.jp/collection_items/tnm/TG-1234?locale=ja) 動画内では画像にトリミング等の加工・編集を施しています。


動画内使用素材

☆動画内で取り上げた立体作品について ①Colbaseからは以下の「CCBYライセンス」画像(原作者クレジット表示を主条件とし、改変・営利目的二次利用も許可される)を改変を加えつつ使用しました。 『埴輪犬(伝茨城県東海村外宿出土)』(奈良国立博物館所蔵)「ColBase」収録 (https://jpsearch.go.jp/item/cobas-16135) 『埴輪 猪』(東京国立博物館所蔵)「ColBase」収録 (https://jpsearch.go.jp/item/cobas-114522) ②《青磁輪花鉢》(台北故宮博物院)については、以下の「パブリック・ドメイン」写真を利用しました。 https://www.flickr.com/photos/101561334@N08/38262141214/in/album-72157663488137798/ ☆BGM使用楽曲について Chris Zabriskie の I Don't See the Branches, I See the Leaves は、クリエイティブ・コモンズ - 表示 4.0 ライセンスに基づいて使用が許諾されます。 https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/ ソース: http://chriszabriskie.com/dtv/ アーティスト: http://chriszabriskie.com/ ☆動画内使用素材の著作権 動画内で使用したすべての造形作品に関しては、著作者の死亡日が属する年の翌年から起算し120年以上経過しています。そのため、どの作品についても作者死後70年間の著作権を保障する日本の「著作権法」第51・52・53・57条の規定により著作権保護期間が満了しています。 ☆造形作品撮影写真の著作権 絵画等の平面造形作品を撮影し平面の写真を作成した場合には、その写真に対して創作性が確認されないため、著作物性は認められません。一方で、立体造形を撮影した写真には著作物性が認められます。そのため動画内では立体作品については「クリエイティブ・コモンズ」、「パブリック・ドメイン」の作品写真を使用し、その利用の事実および形態を動画の「説明」にて明記しています。 ☆美術品所有者の権利 著作権法上、「著作権の消滅後は[…]著作権者の有していた著作物の複製権等が所有者に復帰するのではなく、著作物は公有(パブリック・ドメイン)に帰し、何人も、著作者の人格的利益を害しない限り、自由にこれを利用しうる」とされています(参考:「顔真卿自書建中告身帖」事件 cf. 判例集・民集38巻1号1頁)。 ☆素材の改変 また上述の判例中で言及される「著作者人格権」(著作権法60条)には、作者の意に反した作品改変を禁じる「同一性保持権」(同20条)が含まれ、同権利を主張可能な遺族は作者の配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹(同116条)とされています。これに関して、動画内で取り上げた作者死亡後120年以上が経過する素材に関しては、2021年時点で権利者存命の可能性はほぼないと考えられます。

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