【浮世絵のファッションと色彩】喜多川歌麿《婦人相学十躰:浮気之相》江戸時代(18世紀)、大判錦絵、東京国立博物館

喜多川歌麿《婦人相学十躰:浮気之相》
江戸時代(18世紀)、大判錦絵、東京国立博物館

この投稿では江戸時代の浮世絵師・喜多川歌麿が描いた《婦人相学十躰:浮気之相》についてご紹介します。

  • 背地は雲母粉をかけた白雲母摺(しらきらず)りとなっています。
  • その背地の前には、湯上り姿の女性がたったひとりで大きく描かれています。

「貝髷」に結った髪

  • 洗い髪を簪(かんざし)に巻いて、巻貝の形に作った「貝髷」を結っています。
  • 簪(かんざし)に加え櫛(くし)も黄色で、金色に輝いているようです。

単衣の文様

  • 女性は髪を結った指を、手拭いで拭いています。
  • はだけた単衣には、細線で分銅繋ぎの模様が描かれています。 
  • 分銅繋ぎ模様地の上には、鳳凰の丸紋が浮かんでいます。

帯びの地と模様

  • 帯はウコン色地です。その地の上に黒色で植物模様を表しています。
  • 植物模様は黒い芭蕉の葉を描いています。
  • この芭蕉の模様は、寛文小袖にも見られる伝統的な文様です。

色と模様の対比

  • 雲母摺りの輝く背地に、着物とあらわな肌の白と、ウコン地の帯の色のコントラストをなしています。
  • また無地の肌の部分と着物の細かな模様も対照的です。
  • そして着物の細かな模様と芭蕉の葉の大柄の模様の対比も目を引きます。

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