【18世紀フランスの仮装用武具】《古代風の鎧と剣》パリ、1788‐90年頃、メトロポリタン美術館



ハレ《古代風の鎧と剣》パリ、1788‐90年頃、
麻、パピエ-マシェ()、〔顔料用の〕赤土、金箔、
黒鉛(兜)、絹、綿、金属コイル及びスパンコール、
金属糸(チュニック)、鋼、木材、石、銀、金箔(剣)
兜:40 x 19.5 x 35 cm、鎧:68 x 57 x 28 cm、剣:81 cm
メトロポリタン美術館

パピエ-マシェ:紙パルプにチョーク、接着剤、砂などを混ぜて鋳型に流し、加熱して固めた素材で、家具の部材用に使われました。表面をなめらかに磨いて、漆や塗装を施すことができます。

この投稿では、ハレが1788-90年頃に制作した《古代風の鎧と剣》についてご紹介します。

鎧と兜

《プリマポルタのアウグストゥス》1世紀、
大理石、高さ:204 cm、ヴァチカン美術館
 古代風の装飾
  • 様式化されたギリシャ風の兜は、神話的・寓話的人物像により飾られています。
  • 刺繍されたチュニックはローマの高級将校が着用するタイプのエンボスを施されたブロンズの上半身用胴鎧を表しています。
 

仮装用の武具

シルヴェストル・イスラエル《1662年のパリにおける騎馬行列》
パリ、フランス国立図書館
 行列や儀式のために
  • 16-18世紀のヨーロッパでは擬古典古代の衣装を着た仮装行列が人気を博していました。
  • この鎧兜と剣も、古典古代の神話や歴史をテーマにした舞踏会や騎馬行列、演劇の公演や宮廷における行事のために着用されたのでしょう。

 

兜の中のラベル

 宣伝戦略の一環として
  • 兜の中には、紙のラベルが付属していて、製造者のハレの名を記しています。
  • このラベルは、ハレが盾、仮面、衣装、舞台装置などを提供する能力を持つことを宣伝しています。
  • さらなる注文獲得に向け宣伝を怠らない、製造者の商売にかける熱意を感させる部分です。

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