【1分でメトロポリタン展⑧】フィリッポ・リッピ《玉座の聖母子と二人の天使》(1440年頃 メトロポリタン美術館)

フィリッポ・リッピ
《玉座の聖母子と二人の天使》

15世紀イタリアの宗教画

  • 東京・国立新美術館で開催のメトロポリタン美術館展の出品作の解説動画。
  • 第8回はフィリッポ・リッピ《玉座の聖母子と二人の天使》(1440年頃 メトロポリタン美術館)です。

半円筒型の屋根の下で輝くのは、向こうの青空を背景に、
太陽の熱や光のような放射状に広がるパーツが付いた、
聖性を有すこと目に見える証、黄金色に輝く大きな円光。

円光の下には、白い薄物の被り物で頭を包み、
その下の髪の毛は、円光と同様の金髪。
さらにその下に、広い額がのぞきます。

額の下では、目鼻立ちがはっきり表され、
小さめの口をしっかり結ぶ聖母のお顔。

左の上のあたりに控える天使も、
金色の円光と、同じく金色の髪の毛。
Cの字を描くカーヴを繰り返すヘアスタイルが特徴的。

右側の天使は左の横顔を見せています。
こちらの天使の頭では、髪の毛の束は、
それぞれSの字を描いています。

天使が手に延べている白い巻物には、
シラ書24:19の、次の言葉が、ラテン語で、大文字により書かれている。
「わたしを慕う人たちよ。わたしのもとに来て、 わたしの実を心行くまで食べよ。」

聖母が身に着けるのは、デコルテの浅い赤い衣装に、緑のマント。
首の左右から胸の脇にかけて、頭にかぶっている、
金色の刺繍で飾られた白い薄物が垂れています。
帯も金色に輝いています。

まるで聖画像(イコン)のキリストのように、
鑑賞者の方をまっすぐに見つめる幼子キリスト。
巻き毛の頭髪は天使や母と同じく金色。
陰影を付し、立体的に表されています。
目の高さは頭部の中段に位置し、
大きな頭が子供らしいお姿。

分厚い本を見開きで示すイエス。
ページには、聖なる章句が細かに記されています。


聖母が手にするのは、彼女自身を象徴する薔薇。
緑の茎には葉が二枚左右に開いて付いています。

まん丸の幼子イエスの足の裏。
短い指がわずかに上にのぞいています。

聖母の青い衣の裾には、金色の帯状装飾。
その下からはピンク色の衣の裾がはみ出ています。

下の台は大理石。
石の模様が灰色と赤で表されています。

緻密な細部描写と陰影表現が特徴の、
モニュメンタルな聖母子を描いた作品となっています。





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