【作品解説🎬動画】ベラスケスと工房《オリバーレス伯公爵・ガスパール・デ・グスマン》🐎1636年頃🏇メトロポリタン美術館

ベラスケスと工房《オリバーレス伯公爵》

17世紀スペイン派の画家たちが制作した肖像画

  • 国立新美術館で開催のメトロポリタン美術館展に出品されている作品の数々。
  • 美術史チャンネルでは、それらの作品すべての解説動画を公開しています。
  • 本投稿では、それらの解説動画の中から、17世紀スペインの画家の絵を取り上げます。
  • 今回ご紹介するのは、絶対王政期スペインを代表する芸術家であるディエゴ・ベラスケスと、その経営していた工房のスタッフたちが1636年頃に制作した肖像画。
  • すなわち、《オリバーレス伯公爵・ガスパール・デ・グスマン》(キャンヴァスに油彩、127.6 x 104.1 cm、メトロポリタン美術館)です。
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スペインの、立派な軍装に身を包んだ貴族が、馬にまたがった姿を描く肖像画。

大きな広いつばと、羽飾りがついた帽子を被るモデルの頭部。
オリバーレス伯公爵は、顔には立派な口髭と顎髭を生やしています。

右手には手袋をはめています。
親指と四指でしっかり握る手には、長い指揮棒を揮っています。

体には当時流行の、金の縁とリベットがついた
全身板金鎧を身に着けています。

腰に差しているのは、細身の剣。
鍔と護拳周りが金で豪華に装飾されています。
曲線を多用した優美なデザインです。

足には乗馬用の長いブーツをはいた脚のつま先で、
黄金の鐙を踏み、かかとには騎士の証である黄金の拍車。
拍車は星の形で、装飾性豊かな形状を示しています。

白馬の頭周りの馬具は、黄金に輝き、轡までしっかり描写しています。

黄金の贅沢な馬具は、馬のお尻の部分にも。
光の当たるハイライトの箇所と、しっぽの毛並みは
白い絵の具を塗り付ける絵筆のタッチで表現しています。

背景には、硝煙の白い煙が上がる戦場が広がります。
オリバーレス伯公爵が確かに軍事指導者として有能であったことを、
戦場に身を置く姿で肖像画に描く事で明らかに示しています。



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