【ルネサンス期の鎧】ジャン・クーザン(父)《フランス王アンリ2世の鎧》おそらくパリ、1555年頃、金、銀、革、布地、メトロポリタン美術館

装飾デザイン:ジャン・クーザン(父)
《フランス王アンリ2世の鎧》おそらくパリ、1555年頃、
金、銀、革、布地、187.96 cm、24.20 kg
メトロポリタン美術館

この投稿ではメトロポリタン美術館が所蔵する、1555年頃にパリで作られた《フランス王アンリ2世の鎧》についてご紹介します。

16世紀フランスのパレード・アーマー

 珍しい完品での現存
  • これは完全な形で残った仕事の凝ったフランスのパレード・アーマー(非戦闘用装飾鎧)です。
  • 恐らくパリの工房で、フランス王アンリ2世のために制作されました。 
  • 制作された当初の姿をとどめるパーツが多く残っている点で貴重な作例です。

 

植物文様のデザイン

 古代以来の文様
  • 表面は人物像と、様々な奇怪な生物が住む密集した渦を巻く葉模様で覆われています。
  • これらは古代ローマ、そしてグロテスク文様に淵源をたどることができるデザインです。

 

胸甲の装飾モチーフ

 戦士と二人の女性
  • 胸の中央にはローマの戦士が正面を向いて立っています。
  • この戦士は、下の方にひざまずく2人の女性から武器を捧げられる図が描かれています。

 

肩当て鎧の装飾

 アポロン関連テーマ2種
  • 肩にはアポロンがニンフのダフネを追いかける図が前側に表されています。
  • 背中側にはアポロンはさらに殺された怪物ピュトンを追いかけています。

甲冑の素描

ジャン・クーザン(父)《パレード・アーマーの右肩当の素描》
1555年頃、紙にペン、インク、水彩、25.4 x 16.6 cm、メトロポリタン美術館

 フランス派画家たちのデッサン
  • 16世紀半ばのパリの芸術家たちが描いたこの甲冑をモチーフとする素描が20点が残っています。
  • そのうち1点は16世紀フォンテーヌブロー派の画家ジャン·クーザン(父、1503-60年)の作品です。
  • 残りは金工家のエティエンヌ・ドゥローヌかバティスト・ペルランの作品です。
  • これらの画家たちの素描は、鎧の制作が複数の造形作家の関与する集団制作であったことをわかりやすく伝える資料となっています。

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