【作品解説】《浜松図真形釜》芦屋(福岡県北部)、室町時代、15世紀、鉄鋳造、東京国立博物館

《浜松図真形釜》
芦屋(福岡県北部)
室町時代・15世紀、鉄鋳造
東京国立博物館

「ColBase」収録 (https://jpsearch.go.jp/item/cobas-74539)


  • 茶席で用いる、茶をたてるために必要な湯を沸かすための、鉄でできた釜です。
  • 15世紀室町期、桃山時代以前の時代に作られた、いわゆる「古芦屋」と呼ばれるタイプの製品です。
  • 全体はふっくらと、丸い形をとっています。





真形(しんなり)
  • 茶釜本来の自然な形をとります。他には天命釜・京釜・関東釜があります。
  • 口は、やや内側に繰り込む、繰口(くりくち)の形状を示しています。
  • 肩は、なだらかに下がり、胴の中央に鐶付(かんつき)が付属しています。
  • 胴の上部と下部のつなぎ目に、庇のように出る(は)を巡らせています。



口の造り
  • 口の部分は、立ち上がりが一度くびれたあと、上方に向かって外側に曲線を描いて開いています。これを「繰口」(くりぐち)と呼びます。
  • 口の立ち上がる下の個所には、肩に細い「紐線」(ちゅうせん)を一条めぐらしています。



「鬼面鐶付」(きめんかんつき)
  • 釜の側面には、二か所に、獣(けもの)の顔をかたどった突起が認められます。
  • この突起には、持ち上げるときに使う輪を通すための穴が開いています。



「浜松」(はままつ)と「鮫肌」(さめはだ)
  • 胴部には砂浜に生える松の木を表しています。
  • 胴には州浜に屈曲の多い枝ぶりの松樹を鋳出します。
  • 光沢ある茶褐色の肌=鯰肌になっています。



失われた下の部分
  • 現在は胴部の下が割れて失われた状態です。
  • 本来は帽子のつば様の出張りが、釜の周囲を巡り底へ続いていました。
  • 今確認できる、小型の底は構成付け加えられた部分(=後補)です。


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